創業者主導の営業と成長の壁
創業者は、営業において本当は何をすべきなのでしょうか
創業者が営業で果たすべき役割は、量としては減り、レバレッジとしては高まるべきものです。電話の本数は減らし、自分にしかできない判断を増やしてください。
結論から言うと
何らかの営業チームやプロセスができた段階に達したら、創業者の営業における役割は、自ら手を動かして売ることから、次の4つを担うことへと移るべきです。すなわち、商業戦略と価格の原則を定めること、創業者レベルの権限が本当に必要な関係を持ち続けること、最も教えにくい判断力についてチームをコーチすること、そしてパイプラインと成果を早期に問題を発見できるだけの精度でレビューすることです。手を動かす営業の量は減り、監督の質は上がっていくべきです。
この問いは、すでに誰かを営業として採用した創業者から最もよく寄せられます。自分ですべてをやらなくなった一方で、完全に手を引いたわけでもない状態で、自分の役割が本来どうあるべきか、なぜかわからなくなってしまうのです。この曖昧さは、役割そのものが実際には一度も定義されないまま、「すべてを担う」から単に縮小しただけで、それに代わるものが誰にも決められていないことの表れであることが多いのです。
この問いには、比較的明確な答えがあります。それは、自分が何件商談を成約させるかよりも、営業プロセスのどの判断が本当に創業者を必要とするか、という点に関わっています。
戦略を持つ。すべての商談ではなく
誰に売るか、いくらで売るか、どの市場やセグメントに投資する価値があるかを決めることは、創業者レベルの決断であり、最も熱心に次の機会を追いかける人に静かに移ってしまってよいものではありません。これは、すべての見積もりを自分が承認するという意味ではなく、チームが自分にいちいち尋ねなくても適用できるくらい明確に原則を定めるという意味です。
本当に自分が必要な関係だけを持ち続ける
すべての取引先に創業者の関与が必要なわけではありませんが、正当に必要な取引先も確かに存在します。最大の顧客、自分自身と長い付き合いのある顧客、あるいは目先の売上規模を超えた重みを持つ、戦略的に重要な相手です。判断すべきは、実際にその基準を満たしている取引先はどれかを正直に見極めることであり、居心地が良い、慣れているという理由だけで抱え込み続けないことです。
台本ではなく、判断力をコーチする
営業の中で最も教えにくい部分は、たいてい判断力です。相性の悪い見込み客からいつ手を引くか、停滞している買い手をどう読むか、価格をいつ守りいつ柔軟に動かすべきか。これらはまさに創業者が本能的に行っていながら、めったに言語化していないことです。実際の生きた商談を通じてチームにこの判断力をコーチすることは、日常的な電話に同席するよりもはるかに価値のある創業者の時間の使い方です。
早期に問題を見つけられるだけレビューする
営業から一歩引くことは、可視性から一歩引くことを意味してはいけません。パイプラインの健全性、成約率、活動量を短く定期的にレビューすることで、すべての商談に関与しなくても、数字が崩れ始めた段階でそれを見つけ、四半期の未達に発展する前に手を打つことができます。
こうであってはいけない姿
「ちょっと手伝うだけ」という体裁で、公式には手を引いたと言いながら、実際には最大の商談を今も創業者がひそかに動かし続けている状態であってはいけません。また、戦略や価格について何の指針も示さないまま営業から完全に姿を消し、チームがその隙間を自力で埋めてくれることを期待する状態であってもいけません。どちらの姿も、本来創業者が決めるべき判断が、決められないままか、その場にいる誰かによって場当たり的に決められてしまう結果を招きます。
- チームがいちいち尋ねなくても適用できる価格の原則を定める
- どの取引先に自分の直接関与が今も必要なのか、理由とともに明示する
- 何か問題が起きたときだけ動くのではなく、短く定期的なパイプラインレビューを組み込む
- 実際の商談を、結果の振り返りだけでなく判断力のコーチング機会として使う
バランスが取れているかを確かめる方法
妥当な判断基準は、来月のスケジュールに、戦略的な取引先、コーチングの時間、パイプラインレビューといった、明確に理由のある営業関連の活動が少数だけ入っているかどうかです。日常的な営業電話でびっしり埋まっているスケジュールも、営業関連の時間がまったくないスケジュールも、どちらも極端であり、役割が実際には再定義されておらず、単に減らされたか放棄されただけであることを示しています。
この視点が自社の状況に本当に当てはまるか判断がつかない場合は、創業者・経営者向けセールスヘルプの中で、創業者が今も社内で一番の営業であるべきかどうか、最初の営業採用者をどう管理すべきかといった関連の論点を整理しています。
よくあるご質問
創業者は今も週にどれくらい営業に時間を使うべきですか。
決まった数字はありませんが、参考になるのは、余った時間を充てるのではなく、戦略的な取引先、コーチング、パイプラインレビューといった具体的な活動に意図的に組み込まれた時間であるべきだという点です。営業に使う時間がすべて場当たり的であるなら、役割はまだきちんと定義されていません。
自分が最大の商談に今も関わっていることを、チームが快く思わない場合はどうすればよいですか。
これはたいてい、関与の理由が説明されていないことのサインです。最大の取引先に本当に創業者レベルの関係や権限が必要なら、そのことを直接伝え、どの取引先がその基準を満たすのかについて一貫性を持たせてください。チームに憶測させて、贔屓だと思わせたままにしてはいけません。
CRMは日々自分でも見るべきですか。
必ずしも日々見る必要はありませんが、営業から手を引いたあとも、パイプラインの動き、成約率、活動量を定期的に構造立てて見ておく価値はあります。チームのやり方に注意が必要な兆候を、最も早く教えてくれることが多いからです。
結果の振り返りだけでなく、判断力をコーチするにはどうすればよいですか。
結果が出たあとだけでなく、実際に商談が進行している最中に同席するか、その直後に振り返りを行い、重要な判断のポイントでその理由を説明してもらってください。結果がわかったあとに理由を説明させるより、結果がまだ見えていない段階で考え方を言語化させるほうが、はるかに学びが深くなります。
この役割を誤ると、どのようなリスクがありますか。
創業者が戦略・価格の指針・コーチングという形での関与に置き換えないまま営業から退きすぎると、チームはたいてい最も楽なやり方に流れてしまい、誰も気づかないまま水準が下がり、成果がすでに落ちたあとに初めて発覚します。逆に退き方が不十分すぎると、営業採用によって得られるはずだった余力を、会社は結局手に入れられません。
自社に合った役割分担を見極める
Sales Growth Assessment で、創業者とチームの間で本来どこに責任を分けるべきかを客観的に整理しましょう。
