成長診断とセールスプロセス
マーケティング予算を増やす前に、まず確認すべきことは何ですか
リード数を増やしても、それを受け止める仕組みが弱いままなら、同じ穴にお金を注ぎ込むだけです。
結論から言うと
見積もりから受注への転換率、返答が途絶えた見積もりへの追客状況、新規問い合わせへの初動対応の速さ、この3点をまず点検してください。いずれかが弱ければ、マーケティング予算を増やしても同じ穴にリードが落ち続けるだけで、支払う額が増えて結果は変わりません。転換率と追客の改善は、たいていリード獲得の拡大より安く早く実現でき、しかも今ある問い合わせすべての価値を底上げします。まずここを直してから、投資判断をしてください。
成長が止まったとき、最も手を打ちやすく見えるレバーに飛びつきたくなるものです。マーケティング予算を増やせば、リードは増えるはずだと。それが正解の場合もあります。しかし多くの場合、本当の問題はリードの数ではなかったという事実を、最も高くつく方法で知ることになります。
追加投資をする前に、半日かけて3つのことを確認する価値があります。これらは、増えたリードが実際に売上へつながるのか、それとも既存のリードをすでに取りこぼしている同じ隙間にただ積み上がるだけなのかを左右します。
リードが増えても売上が増えるとは限らない理由
マーケティング投資が増やすのは、営業プロセスに入ってくる人数だけです。その後どう扱われるかには何の影響も及ぼしません。追客一回目のあとに音沙汰がなくなる見積もりが全体の3割を占めているなら、問い合わせを倍にしても、その問題は解決せず、未対応の見積もりが倍になるだけです。この計算が有利に働くのは、受け止める側のプロセスが実際にそのリードを活かせる状態にあるときだけです。
まず見積もりから受注への転換率を確認する
これが最も手早くできる健全性チェックです。過去2〜3四半期分の発行見積もり数と受注数を照らし合わせてください。業種として期待される水準に対して比率が明らかに低いなら、制約要因がリード数である可能性は低いといえます。すでに転換しきれていないほどの機会を生み出しており、そこに予算を追加しても、うまく扱われていない山が大きくなるだけです。
返答が途絶えた見積もりに何が起きているかを確認する
B2Bの商談の多くは、明確な「はい」か「いいえ」では終わりません。沈黙で終わります。相手が忙しくなった、優先順位が変わった、決裁が保留になった――そうした沈黙が失注になるか、単に先送りになるだけかを分けるのは、誰かが妥当な期間内に、意味のある内容で複数回、追客をしているかどうかです。
3〜6か月前の見積もりのうち、正式に失注扱いになっていないものをいくつか抽出してみてください。追客の電話を一度かけただけで、その後何もしていない案件がまとまった数あるなら、その隙間は今この瞬間も、すでに費用をかけて獲得したリードから売上を失わせています。そこを塞ぐほうが、失われた分を新たなリードで補うより、ほぼ間違いなく安く済みます。
新規問い合わせへの初動がどれだけ速いかを確認する
初動対応の速さは、B2Bの営業現場で最も測られていないにもかかわらず、最も結果を左右する要素の一つです。問い合わせが届いてから2日間放置されていれば、買い手が複数の取引先候補を比較していた場合、たいていすでに他社から見積もりを受け取っています。そして競争のある市場では、それが普通です。
思い込みで済ませず、実際に測ってみる価値があります。自社のウェブサイトから試しに何件か問い合わせを送り、自動返信ではなく実質的な返答が来るまでの時間を計ってください。もし買い手として自分なら耐えられないほどの時間がかかっているなら、それは無料で得られる重要な発見であり、マーケティング投資で増えるどのリードにも同様に当てはまります。
本当に予算増額が正解になるとき
これらはすべて、マーケティング予算を増やすことが常に間違いだという意味ではありません。転換率が妥当な水準にあり、追客が徹底されており、対応も速いにもかかわらず、新規問い合わせの数そのものが実際に減っている、あるいは元々目標に足る量がなかったのであれば、制約要因は本当にリード獲得にあり、そこに投資することは筋の通った判断です。
見極め方は単純です。今の2倍の問い合わせが来たとして、この会社は実際にそれをきちんと活かせるでしょうか。正直な答えが「はい」なら、マーケティングに投資してください。「今来ている分の扱いを見る限り、たぶん活かしきれない」というのが正直な答えなら、そちらを先に直してください。その方がほぼ常に安く早く改善でき、その後にマーケティングへ投じる一円一円がより多くの成果を生みます。
自社がどちらに当てはまるかまだ判断がつかない場合は、創業者・経営者向けセールスヘルプの中で、売上が伸び悩んでいるのがリードの問題なのか、転換の問題なのかを詳しく整理しています。
自社だけでは見えないとき、正しい答えをどこで得るか
自分の会社の追客の徹底度を客観的に検証するのは、実際にはかなり難しいものです。誰もが「自分はきちんと追客している」と思っており、その多くが実際の一貫性については誤解しています。Sales Growth & Business Development の支援は、まさにここから始まることが多く、新たな予算を投じる前に、既存パイプラインの転換率・追客・見極めを立て直します。
よくあるご質問
これまで計測してこなかった場合、転換率はどう測ればよいですか。
すでに使っている見積もりや請求のシステムから、過去2〜3四半期分の発行見積もりと受注実績を突き合わせるところから始めてください。最初は精度が粗くても構いません。おおまかな数字だけでも、転換率が正常な範囲にあるのか、明らかに弱いのかを判断するには十分です。
新規問い合わせへの返答として妥当な時間の目安はありますか。
一律の基準はありませんが、競争の激しいB2B市場の多くでは、当日中に実質的な返答をすることが、買い手が現実に期待する水準になっています。相手が複数の取引先候補に問い合わせている可能性が高い場合、対応が1時間遅れるごとに、先に他社が返答してしまう確率が上がります。
自社の追客は実は問題ないのに、過小評価しているだけという可能性はありますか。
十分にあり得ます。だからこそ記憶ではなく実際の記録に照らして確認する価値があります。時間が経過した見積もりを実際に抽出し、その後どうなったかを見てみてください。想定していたことと、実際にCRMに残っている記録とのギャップに驚く方がほとんどです。
マーケティングと営業プロセスの改善を同時に進めるのは正解ですか。
現状のリード数があまりに少なく、転換すべき対象そのものがほとんどない場合には、同時進行が正しいこともあります。ただし両方を同時に手がけると、後になってどちらの施策が実際に売上を改善させたのか分からなくなり、次の意思決定も今回と同じくらい根拠のないものになってしまいます。
競合がすでにマーケティングにより多くの予算をかけている場合はどうすればよいですか。
その場合こそ、獲得できている問い合わせの転換率をできる限り高めておく理由になります。予算の規模で対抗できないかもしれないからです。少ないリードの中からより高い割合で受注できる会社は、より多くの問い合わせを生みながら多くを取りこぼす競合よりも、結果的に上回ることができます。
まず診断、投資はそのあと
Sales Growth Assessment で、売上が実際にどこで失われているのかを客観的に把握してから、次の投資判断を行いましょう。
